目が痛い
しみるような痛み、異物感
- しみるような痛みがある
- まぶたの内側に異物感がある
- 目がゴロゴロして痛い
など
目の痛み、ゴロゴロするような異物感は、さまざまな病態が考えられます。
単なる疲れ目によって目が痛くなることもありますが、痛みが強かったり突然痛み出したり、症状が長引いたりしているケースは注意が必要です。
症状を軽視することなく、早めに眼科を受診するようにしましょう。
考えられる原因、病気
ドライアイ
近年、ドライアイに悩まされる方が増えています。
目がゴロゴロして、スムーズに目を開閉できないという方は、ドライアイの可能性も考えられます。
ドライアイにもさまざまな原因がありますが、眼球の表面が乾いてしまうと凹凸になり、まばたきすると引っかかるような違和感、抵抗感を覚えます。
アレルギー性結膜炎
花粉症や動物アレルギーなどの影響で、結膜に炎症が起こる状態をアレルギー性結膜炎といいます。
まばたきすると重いと感じたり、目がゴロゴロするほか、かゆみなどの症状も出ている場合は、アレルギー性結膜炎が考えられます。
例年、花粉症に悩まされている方は、市販の抗アレルギー用の目薬を点眼して様子を見られている方は多いと思います。
もし点眼薬を2、3日続けても治らなければ、早めに眼科を受診しましょう。
異物による痛み
ゴミや虫、まつげ、洗顔フォームのスクラブなど、目に異物が入った際はチクチクとした痛みやゴロゴロとした異物感を覚えます。
自然にとれることも多いですが、無理にとろうとすると目を傷つけてしまい、悪化させてしまうことも少なくありません。早めに眼科を受診しましょう。
角膜炎
異物が角膜(黒目を覆う膜)を傷つけたり、物理的な刺激によって角膜が傷つけられたりしてしまうと、角膜に炎症を引き起こします。
感染性結膜炎
細菌やウイルスの感染によっても、結膜炎が起こることがあります。
目がかゆい
アレルギーや細菌・ウイルス感染による、かゆみの症状
- 目頭がかゆい
- 目の奥の方が痒い
- かゆみのほか、目やにや充血の症状がある
など
目がかゆい原因としてもっとも多いのが、アレルギー性結膜炎です。
アレルギー性結膜炎には季節性のアレルギーと、通年性のアレルギーがあります。
また、アレルギー反応を起こしやすい敏感な方は、季節性と通年性の両方に反応してしまうこともあります。
花粉症やハウスダストが、目に付着すると、目の痒みや充血、異物感やまぶたの腫れなどの症状がでます。
また目の症状だけではなく、鼻水やくしゃみなどの症状を伴う場合もあります。
アレルギー性結膜炎の方は、市販の点眼薬で様子を見る傾向もありますが、眼科処方の点眼薬は市販薬よりもかゆみを抑える効果が高いものが多いです。
目のかゆみを伴う病気
季節性アレルギー結膜炎
代表格となるのが花粉症です。目のかゆみや鼻水などの辛い症状が現れます。
スギ花粉・ヒノキ花粉・ブタクサ花粉以外にも、花粉症を引き起こすさまざまな植物があります。
通年性アレルギー結膜炎
主にハウスダストが原因で、動物やダニなどに反応する患者さんもいらっしゃいます。
目が真っ赤になる
- 白目から出血して真っ赤になっている
- 黒目のところまで赤くなっている
など
白目の血管はとても細く、あまり目立たないのが特徴的です。
白目の血管が何かの拍子に切れてしまうと、結膜内に出血が広がってしまいます。これが結膜下出血と呼ばれる病態です。結膜のたるみ(結膜弛緩)が原因の一つと言われていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
白目が真っ赤になり、驚いて受診される方も多いですが、基本的に自然に治ることが多いです。
症状がおさまるまで、1週間ほど様子をみて問題ありません。ただし、いつまでも症状が続く場合、繰り返す場合は、一度眼科を受診しましょう。
注意が必要な目の充血・病気
結膜炎
白目の血管が一本一本太く膨らんでいる場合は、アレルギー性または感染性の結膜炎が考えられます。
アレルギー性の場合は抗アレルギー点眼薬で症状が落ち着くことが多いですか、目の充血だけではなく、目やにの症状も出ている場合は、細菌性の結膜炎が疑われますのですぐに眼科を受診しましょう。
感染性の結膜炎は、家族にうつさないように、患部に触れたりタオル等の共有は避けましょう。
角膜炎
黒目の中が白っぽくなっていたり、白い点がでて周りの血管が充血して太くなっている場合は、角膜炎が疑われます。
角膜炎は細菌真菌、ウイルスが原因で発症し、放置すると危険な病気です。
原因を特定し、抗菌薬や抗真菌薬による治療が必要です。なるべく早めに眼科を受診してください。
コンタクトレンズの使用
コンタクトレンズを適切に使用していなかったり、目の形状に合っていなかったりすると、目が充血することがあります。
とくに長時間の使用は目に負担をかけるため、避けるようにしましょう。
また、コンタクトレンズをしたまま寝る行為は絶対にやめましょう。寝ているときに、角膜は涙から酸素をもらっています。
つけっぱなしにしてしまうと、角膜が酸欠状態になるため注意が必要です。
白目が充血する
☑白目が充血している←追加して下さい
☑目やにの症状がある←追加して下さい
白目の血管はとても細く、あまり目立たないのが特徴的です。
しかし、何らかの原因で黒目や白目に炎症が起こると白目の血管がふくらみ、赤い血管が一本一本はっきりと見えるようになります。
注意が必要な目の充血・病気
結膜炎
特に目やにがひどいときは、はやり目(アデノウイルス結膜炎)の可能性がありますので、家族や周りの人にうつさないように、患部に触れた手であちこち触ったり、タオル等の共有をしたりすることは避けましょう。
角膜炎
角膜炎は細菌、真菌、ウイルスなどが原因で発症し、放置すると危険な病気です。原因を特定し、それに対して有効な薬剤による治療が必要です。
目やにが出る
注意が必要な「目やに」の症状
- 糸状の目やにがでる
- 目の周りが目やにでパリパリになる
- 目が開かないほど、上下まぶたがべったりとくっつく
など
目やにとは
目やにとは、目からでる老廃物です。耳あかと同じように自然に出てきます。角膜や結膜の代謝によって、脱落した細胞などが目やにとして出てきます。
そのため、朝起きたときに、少量の目やにがついている程度であればとくに問題はありません。
就寝中はまばたきをしないため、涙によって流されることがなく、目の周りについたままになりやすいです。
注意が必要な目やに
目が開かないほどべったりとした目やにが出ている場合や、色や見た目がいつもと違う場合は注意が必要です。
黄色や緑色の目やにがでる場合は、細菌感染による結膜炎の可能性もあります。また、ネバネバした白っぽい目やにの場合は、アレルギー性結膜炎が疑われます。花粉症やハウスダストなどが目やにの原因として考えられます。
そのほかにも、涙の通り道が詰まり細菌などが感染している場合は、膿のような目やにが出ることもあります。
目やにの症状によって考えられる病気
細菌性結膜炎
結膜が細菌やウイルスに感染すると、白血球などがたたかって外に追い出そうとして、黄色や緑色などの目やにが、目立つようになります。
アレルギー性結膜炎
花粉やハウスダストなどによる防衛反応で、涙や目やにをはじめ、鼻水の症状が出やすくなります。
涙嚢炎
涙の通り道が詰まり感染を起こすと、膿のような目やにがでるようになります。細菌の種類によってさまざまな色の目やにが出ます。
目やにが出たときの受診の目安
目やにの色や量がいつもと違うときは、なるべく早めに眼科を受診しましょう。
ネバネバ感のある糸状の目やには細菌感染などが疑われます。点眼薬などで症状は比較的早く改善します。
市販の目薬を使って様子を見ている方もいらっしゃると思いますが、数日経っても症状改善がみられない場合は、眼科を受診してください。原因に応じた点眼薬を処方してもらうことで、早期の症状改善が期待できます。
目がショボショボする、乾く
眼科への受診が望ましい症状
- 目の乾燥感が強い。
- ショボショボして、目を開けているのが辛い。
- 目がゴロゴロして違和感がある。
- 焦点が合いにくい。
- 目が疲れやすい。
など
日常的にお仕事でパソコンを使われている方をはじめ、スマホの使いすぎなどによって、目の乾きに悩まされている方は多いです。
目を酷使されている方は、しっかりと休息をとり、点眼薬を活用しながら目の乾燥を防ぐためのセルフケアが必要です。
ご自宅では目にエアコンの風をあてないように注意しながら、風向きを調節するなど工夫しましょう。
また「加齢とともに涙が出にくくなってきた、乾くようになった」というご相談も多くなっています。
年を重ねると、すべての分泌物が減少していきます。あまり汗をかかなくなるのと同様に、涙も減っていくのです。
市販の点眼薬を続けても改善しない場合は、一度、眼科を受診して検査をしましょう。
目の乾燥、考えられる病気
ドライアイ
目の乾きを訴える方で一番多く見られるのはドライアイです。とくにコンタクトレンズを使用されている方に多いお悩みです。
ドライアイによって、涙の量が減る人もいますが、ある程度の量は出ていても、涙の出方や成分自体に問題があり、目を潤す役割を十分に果たせていないケースもあります。
乾燥だけでなく、痛みや焦点が合わずに目が疲れるといった症状をお持ちの方は、一度、眼科でドライアイの検査をお勧めします。
アレルギー性結膜炎
前述したドライアイで涙液が少ない方は、花粉やほこりなどの異物を自然に洗い流すことが困難となるため、アレルギー性結膜炎を合併しやすい傾向があります。
市販のアレルギー性結膜炎用の点眼薬で様子を見る方も多いと思いますが、ドライアイとの区別がつかない、判断が難しいケースもありますので、眼科の受診をお勧めします。
シェーグレン症候群
自分の涙腺や唾液腺が攻撃されてしまう自己免疫疾患です。涙や唾液が出にくくなるこの病気は、ドライアイやドライマウスの症状が表れます。
涙だけでなく唾液も出ないなど、気になる症状がある場合は、まずは眼科か内科を受診して、症状に合わせた治療を受けるようにしましょう。
涙が出る
ご相談の多い「涙」の症状
- 涙目になりやすい。
- 涙が目に溜まり、溢れてくる。
- 風にあたると涙が止まらなくなる。
など
涙の成分と役割
正常な目の表面は、涙の薄い膜で覆われていて、この膜は表面から順番に「油層・水層(ムチンゲル)」という2層で構成されています。
最も外側にあるのは油層で、これは涙の蒸発を抑える役割をしています。
ムチンは水分を保持する性質があるたんぱく質で、分泌型と膜型の2種類に分けられます。
分泌型ムチンは水層にあり、水層をゲル状に保つことで涙への機械的ストレスに抵抗する働きを持っています。
一方、膜型ムチンは角膜(黒目)や結膜(白目)の最も表面の細胞にあって、眼表面のバリア機能に貢献し,瞬目時の摩擦を軽減する役割を果たすとともに,上皮表面の水濡れ性を向上させるとされています。
まばたきなどの際に涙が均一に出ていると、目の表面は潤されて、適度な湿度が保たれます。この涙によって、ゴミやほこり、花粉などの外敵から目を守ります。
また、涙によって潤うと、角膜の表面が滑らかになり、ピントも合いやすくなり視界がクリアになるのです。
涙が出る、止まらない、考えられる原因と病気は?
ドライアイ
ドライアイは「涙が出ずに乾いてしまう状態」と思われがちですが、それだけではありません。
突然涙目になったり、乾いたり、涙の出方がムラになるケースもあります。また、涙の水分が十分でも、ゲル状のムチンが不足して、潤いが保てないという状態もあります。
アレルギー性結膜炎
花粉やハウスダストなどのアレルギーによって結膜に炎症が起こります。
アレルギー性結膜炎になると、目の痒みとともに、涙が止まらなくなることがあります。
鼻涙管閉塞症
涙は目の表面を潤してから、目頭から鼻の奥へと抜けていきます。この通り道は鼻涙管とよばれ、やがて喉の奥に流れていきます。
この涙の通り道である鼻涙管が詰まると、余分な涙を処理できずに目に溜まり、涙目の状態となったり、涙が溢れるようになります。
この病態は鼻涙管閉塞症とよばれ、高齢の女性に多くみられる傾向があります。
鼻涙管閉塞症となり涙目が続いても、涙と折り合いをつけながら生活している方もいらっしゃいます。
一方で、詰まった鼻涙管が感染を起こすと、涙嚢炎という状態となり、ジュクジュクとした膿や目やにが続き、やがて繰り返すようになることがあります。
このように辛い症状が出ている場合は、早めに眼科を受診しましょう。
鼻涙管閉塞症の治療は、内視鏡を用いて狭くなった個所を直接拡げたり、鼻の中からアプローチして狭くなった個所の骨を削ったりする方法が行われています。
麻酔が必要な手術ですが、日帰りの手術となりますので、比較的負担のかからない治療です。
涙嚢炎が悪化している場合は、まずは抗菌薬を用いて炎症を落ち着け、その後に前述の手術を行うか検討します。
まぶしく感じる
光が目に染みる、痛みを感じる
- 光を見ると、辛いほどまぶしく感じる
- 光を見ているだけで目が痛くなる
- 目がくらんでしまう
など
まぶしいと感じる症状は、目の中の虹彩と呼ばれる光を調整するところ(茶目の部分)や、角膜(黒目の膜の部分)に炎症が起こっている可能性が考えられます。
また、日中の日差しや車のライトがギラギラとまぶしく感じる場合は、白内障などの初期症状が疑われます。とくにご年配の方は白内障を発症しやすいため、注意が必要です。
そのほかにも、重度の緑内障や網膜色素変性症と呼ばれる病気でも、まぶしさを伴うことがあります。まずは眼科を受診せて診断をしましょう。
目がまぶしいと感じる原因と病気
白内障
白内障は、視界に霧がかかったようにかすんだり、ぼやけたりする病気です。
その初期症状として、日光やライトなどが異常にまぶしく感じるなどのお悩みがあげられます。
私たちの目には「水晶体」とよばれるレンズのような役割を担う場所があります。
白内障はこの水晶体が加齢とともに濁ってしまう病気で、強い光が直接目に入ったときに、くもった水晶体によって光が乱反射してまぶしく感じます。
白内障は60〜70代以降で急増する傾向があるため、加齢とともに注意したい病気の1つです。
虹彩炎
光を調整する役割を担う虹彩が炎症を起こした状態です。虹彩と角膜の間にある前房とよばれる液体部分に、濁りが生じると、まぶしさや視界のかすみを感じることがあります。
虹彩炎は若年層にも多い目の疾患の1つです。
虹彩炎の場合、一般的にはステロイドの点眼薬によって治療をしていきます。
重症の場合は、飲み薬や注射による治療も検討します。また、自己免疫疾患の一つであるベーチット病によって虹彩炎を発症すると、失明のリスクもあるため、早めの診断が大切です。
角膜炎
角膜は、黒目の膜の部分です。角膜炎はこの場所に炎症が起こる病気です。
重度の緑内障
緑内障は、目の神経が傷つき、見える範囲(視野)が少しずつ欠けてて狭くなっていく病気です。
緑内障は、失明する原因の第1位です。
はじめは自覚症状がないうちに進行していくため、定期的な検診で早期発見することが大切です。
網膜色素変性症
網膜は、眼の中で光を感知して、その情報を視神経に伝達する役割を担う組織です。
網膜色素変性症はこの網膜に異常がみられる遺伝性の病気です。
暗いところでものが見えにくくなり、視野が狭くなったような異常を感じ、併せてまぶしさを感じることがあります。
まぶたが腫れている
まぶたの腫れ、違和感・痛みの症状
- まぶたが腫れている
- まぶたに触れると痛い
- まばたきをすると痛みを感じる
- まぶたが化膿している
など
まぶたも目を守るために大きな役割を担います。
外部からの異物の侵入を防ぎ、目の表面を涙で潤して乾燥を防ぎます。
まぶたのトラブル、考えられる病気
ものもらい
まぶたの症状でもっとも多いのは「ものもらい」です。医学的には麦粒腫(ばくりゅうしゅ)とよばれます。
まつ毛の付け根には、油分を分泌するマイボーム腺とよばれる器官があり、この油分によって涙の蒸発を防いでいます。
マイボーム腺に細菌が感染し、炎症を起こすことがあります。これが、ものもらいです。
ものもらいができたら、抗菌薬で治療する必要があります。悪化しないうちに、早めに眼科を受診しましょう。
アレルギー性結膜炎
花粉症や動物アレルギーなどの影響で結膜に炎症が起こと、まぶたが腫れたり痛みやかゆみの症状がでることもあります。
例年、花粉症に悩まされている方は、市販の抗アレルギー用の目薬を点眼して様子を見られている方は多いと思います。
もし点眼薬を2、3日続けても治らなければ、早めに眼科を受診しましょう。
眼科では、患者さんのまぶたの状態を検査し、病態に合わせた点眼薬を処方します。2週間ほど継続すると、症状は次第に和らぎ、やがて治ります。