近視とは
近視とは、眼球の形が前後方向に長くなって、目の中に入った光線のピントが合う位置が、網膜より前になっている状態です。
「近視」になると、近くのものははっきり見えますが、遠くのものがぼやけて見えます。
日本をはじめとする東アジア各国では元々近視の方の割合が多かったのですが、近年それ以外の国でも近視の方の割合が多くなってきております。
ある研究報告によればこのままのペースで行くと2050年頃には世界人口のおよそ半数が近視になると予測されており、更に「強度近視」(度数にして-6.0D以上の近視)の方の割合が世界人口の10%に達すると予測されています。
強度近視は通常の近視よりも緑内障・網膜剥離・近視性黄斑症に至るリスクが高く、中途失明の原因ともなりうる状態ですので、近年では可能な限り近視の進行を抑制すべきであるとの考え方が主流になってきています。
近視の進行に最も関わるのは眼軸長(眼の前後の長さ)が伸びることですので、これを抑える方法がこれまで研究されてきました。
近視進行を抑えるために
外遊びの推奨
近視進行を抑えるためには、幼少期からの生活習慣が重要です。
日本と同様に近視の有病率が高い中国・台湾・シンガポールでは政府の主導により、毎日計1~2時間の外遊びを推奨しています。
これは可視光に含まれる紫色波長に近視進行抑制作用があることが分かったためです。
更に下記の方法を組み合わせることで、より効果的な近視進行抑制を図れることが期待されます。
低濃度アトロピン(マイオピン®)
アトロピンには瞳孔を強力に開く作用がありますが、これを薄めたものを2年間点眼した6~12歳の子供のおよそ半数で、近視の進行が抑えられたとの報告がシンガポールの研究グループから発表されています。
1日1回寝る前に点眼を行います。頻度は少ないですが、朝起きた時にピントが合わない感じがしたり、白目が充血したりすることがあります。既にある近視を改善する効果はありません。
オルソケラトロジー
専用のハードコンタクトレンズを寝ている間に装用することで、角膜の形を一時的に矯正して近視を軽減させる方法です。
日中はレンズを外しても裸眼での良好な視力が得られます。
眼鏡やコンタクトレンズの脱落を心配する必要がないので、スポーツをされる方にも良い適応になります。
通常の眼鏡やコンタクトレンズに比べて、概ね50%程度の近視抑制効果があると言われています。
毎日コンタクトレンズを外して洗浄する必要があるため、保護者の方の協力が必要不可欠になります。
また、ハードコンタクトレンズが装用できない場合は適応になりません。
マイオピン治療
マイオピン治療とは、Atropine(アトロピン)を0.01%または0.025%配合させた点眼薬によって、近視の進行を軽減させることを目的として行われる治療です。
【注意】
- 近視の進行を緩やかにするための治療であり、近視の進行が止まるわけではありません。現在ある近視が治ることはありません。
- 自由診療であるため、同日別な病気のための検査・処方を受けることはできません。
※ 自由診療と保険診療の同時実施=混合診療が国から禁止されているため - 感染予防のため、点眼の開封後は必ず1か月(防腐剤の有効期限)で廃棄して下さい。
- 点眼の使い回しも絶対に行わないでください。
マイオピン治療の流れ(0.01%製剤の場合)
初回 適応検査
- 屈折検査
- 視力検査
- 眼軸長測定
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼底検査
以上の検査を実施します。
検査によって適応となれば、マイオピン1本を処方いたします。
検査代 | 2,000円 |
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マイオピン代 | 3,000円 (1本分) |
1か月後 診察
- 屈折検査
- 視力検査
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼底検査
以上の検査を実施します。
検査によって問題がなければ、マイオピン2本を処方いたします。
検査代 | 1,500円 |
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マイオピン代 | 6,000円 (2本分) |
3か月後 診察
- 屈折検査
- 視力検査
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼底検査
以上の検査を実施します。
検査によって問題がなければ、マイオピン3本を処方いたします。
検査代 | 1,500円 |
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マイオピン代 | 9,000円 (3本分) |
6か月後 診察
- 屈折検査
- 視力検査
- 眼軸長測定
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼底検査
以上の検査を実施します。
検査によって問題がなければ、マイオピン3本を処方いたします。
検査代 | 1,500円 |
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マイオピン代 | 9,000円 (3本分) |
※ 以後、定期診察は3か月毎に実施(眼軸長測定は6か月毎に実施)
マイオピン治療の流れ(0.025製剤の場合)
0.025%製剤は0.01%製剤で十分な効果が得られていないと判断される場合にのみ使用します。ただし当地への転入に伴い治療継続を希望される場合も、下記の流れでの治療に御了解頂ける場合は対応致しますのでお気軽にご相談下さい。
0.025%製剤への切り替えを行う場合は以下の流れになります。
切り替え時(他院からの治療継続時を含む)
検査代 | 1,500円 |
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マイオピン代 | 10,500円 (3本分) |
3か月後 診察
- 屈折検査
- 視力検査
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼底検査
以上の検査を実施します。
検査によって適応となれば、マイオピン3本を処方いたします。
検査代 | 1,500円 |
---|---|
マイオピン代 | 10,500円 (3本分) |
6か月後 診察
- 屈折検査
- 視力検査
- 眼軸長測定
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼底検査
以上の検査を実施します。
検査によって問題がなければ、マイオピン3本を処方いたします。
検査代 | 1,500円 |
---|---|
マイオピン代 | 10,500円 (3本分) |
オルソケラトロジー
検査・治療の流れ
【注意】以下は全て自由診療となります。同日に他の疾患の検査・治療(点眼処方含む)はできません(=混合診療の禁止)ので、ご注意下さい。
初回 – 適応検査:5,000円
- 屈折検査
- 角膜曲率半径計測
- 視力検査
- 眼圧検査
- 角膜形状解析検査
- フィッティングマスター
- 細隙灯顕微鏡検査(ドライアイ診断含む)
- 眼底検査
- 眼軸長測定
- 角膜内皮細胞数測定
【注意】万が一適応とならない場合でも、検査料金が発生しますのでご注意下さい。
装用トライアル – 両眼 60,000円、片眼 30,000円
1週間の装用トライアルを行います。
【注意】
トライアル中に治療をおやめになる場合は、両眼の場合30,000円、片眼の場合15,000 円のみ返金となります。
また、レンズの破損・紛失時は返金無しとなりますのでご注意下さい。
正式治療開始
正式なレンズをお渡しします。
治療開始時にご負担いただく料金
※ レンズ代+開始後1年未満の検査・診察費を含む
両眼の場合 | 160,000円 |
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片眼の場合 | 80,000円 |
実際にはここから、適応検査代と装用トライアル代を引いた金額をご負担頂きます。
※ ただし、紛失・破損があった場合はその枚数分の装用トライアル代は引かれません。
通常のお支払い
160,000-60,000-5,000=95,000円のご負担
トライアルレンズ1枚紛失
160,000-30,000-5,000=125,000円のご負担
トライアルレンズ2枚紛失
160,000-5,000=155,000円のご負担
※ レンズお渡し後12か月以内であれば、処方交換・破損交換を問わず2回まで交換が可能です。ただし、破損の場合は残存レンズが1/2以上必要です。
※ 紛失の場合は交換保障の対象とはなりませんのでご注意下さい(再作成代として片眼につき35,000円が必要)。
その後の流れ
1か月後診察:検査代0円
※ 治療開始時料金に含まれます。
- 屈折検査
- 視力検査
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼底検査
3か月後診察:検査代0円
※ 治療開始時料金に含まれます。
- 屈折検査
- 視力検査
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼底検査
6か月後診察:検査代0円
※ 治療開始時料金に含まれます。
- 屈折検査
- 視力検査
- 眼軸長測定
- 角膜形状解析
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼底検査
9か月後診察:検査代0円
※ 治療開始時料金に含まれます。
- 屈折検査
- 視力検査
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼底検査
1年後診察:検査代(4,000円)
- 屈折検査
- 視力検査
- 眼軸長測定
- 角膜形状解析
- 角膜内皮細胞測定
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼底検査
以後、定期診察について
- 以後、定期診察は3か月毎に実施(眼軸長測定・角膜形状解析は6か月毎に、角膜内皮細胞数測定は1年毎に実施)
- 治療開始1年後診察から、毎回4,000円の検査料金が発生します。
- 度数変更等によるレンズの再作成の場合は、片眼につき35,000円の料金が発生します。